2013年4月27日土曜日

スマート・スプリッター

我が家では「連休」と書いて「まきわり」と読む。 先日斧を新調したところではあるが、昨年少々腰を痛めてからは全量を人力で割るかどうか、いや、薪割り機を買うぞ!などといろいろと選択肢を探していたのだが、人力と機械の間くらいのものが見つかったので試してみることに。その名も「スマート・スプリッター」。スウェーデン生まれのスグレものらしい。機構は極めて簡単で、斧の先端(スプリッター)が鉄棒の軌道を上下し、スプリッター上の別の金属棒軌道を上下するオモリを叩きつけて割るという仕組み。見るからに華奢なのだが、これが結構安定していて、パッコンパッコンと小気味良く割れるのだ。小気味良く、とはいうものの、玉切り(切り倒した木を40cmほどの長さに輪切りにしたもの)にした木(重いものでは30kgくらいはある)を所定の位置によっこいしょと乗せる労力は変わらないし、持ち上げるオモリは3kgと斧とほぼ同じだし、1サイクルにかかる時間も劇的に早くなるわけでもないのだが、なんといっても斧を振り上げて狙いを定めて一点に力を込めつつスナップを効かせると同時に腰を落として一気に振り抜く、というのはかなりの肉体的負荷のかかる仕事で、この道15年(大阪のアトリエ時代から数えるとそうなる、をを、感慨深い)とはいえ簡単な仕事ではない。それに比べれば、狙いを定める必要は無いし、斧を振り上げるときによろける心配は無いし、つまりはうちの嫁はんでも出来るし(実際できた)、ということで総合的にはとても良い。ものによっては斧でスパーンと割る方が早くて気持ちいいこともあるが、たとえば1時間でできる薪の量と肉体的疲労のバランスでは圧倒的に「楽」なことが分かった。今日は堅い楢の木ばかりだったが、杉ならオモリの自由落下の力だけでも割れそうなので焚きつけ作りにはもってこいのようだ。これは嫁はんの仕事にしよう。


2013年4月21日日曜日

斧を新調した。2シーズンで鋳物のヘッドが割れてしまっていた。今回は独helko社のブレード交換式Vario2000。ブレードの重量は300g増の2,300g。いつも思うのだが、薪割りのインパクトの瞬間にはどのくらいの力が加わっているのだろうか。。振り下ろす速度を計測しないと正確なところは分からないが、おそらく、というか間違いなく何百キロという衝撃が毎回毎回加わるのだから、いずれ構造の弱いところ、もしくは衝撃を分散できない構造の部分に負荷がかかって壊れるのは宿命だ。鋳物なら単純に消耗品だと考えていたところに、この交換式。初見では、こんなものすぐに壊れるよ、と思ったものの、よく見てみると、ブレードは焼き入れしてあるので鋳物とは衝撃に対する「粘り」が違うはずだし、加力方向には分解しようがない構造で、しかもブレードと柄の間にアルミの緩衝材が挟んであるので、これはひょっとすると優れものかもしれない。さすがに「こじる」ような使い方は厳禁と書いてあるあるあたり、無茶はきかないのかもしれないが、そもそも道具は正しく使ってこそ、その本来の機能を発揮するように出来ている(西洋の道具は特に)ので試してみる価値ありだ、と思っていたのに朝から季節外れの雪。

ともあれ、7種類のブレードと4種類の柄を自由に組み合わせることができる、というのは用途に合わせてカスタマイズできるということだし、なにより、「割れたらはい、おしまい」ではなく、衝撃で緩んできたら増し締めできたり、自分で分解してメンテナンスが出来る、という手を掛けられる道具であることが嬉しいのだ。

2013年4月14日日曜日


 竹を分けてもらった。乾燥した竹は着火性がよく、一気に高カロリー燃焼するので、ストーブの焚きつけにはうってつけだ。車で北へ小一時間ほどの大崎のこの農家の方は、正月の門松を作っておられる。このあたりはまだまだ立派な門松を飾るようで、中には直径が15cmほどの太い竹もある。この方は作るだけではなくて、松の内が明けて要らなくなった門松を回収して竹を二次利用されている。竹炭を焼いたり、そのまた副産物の竹酢液を利用した減農薬農法でお米やぶどうを作っているのだとか。陶芸家の嫁はんはこれでヘラ作りには一生困らないとか。そういえば漆の仕事でもヘラは必須で、とにかく種類が多い。作業に合わせて檜の薄板を自分の手に合うように仕立てる。そのための漆仕事専用の刃渡り20cmほどのドスの親玉みたいな塗師屋包丁(ぬしやぼうちょう)という道具を使う。大学2年の時にいきなりこれを買わされたときにはびっくりしたものだ。それはそうと、この農家さんでは9-10月はぶどう狩りが楽しめるそうだ。絶対行くのだ。