2012年2月29日水曜日

やっぱ機構だぜ、キコー!その2

前の投稿で火が付いたというか、手持ちのエンジンをガサゴソと引っ張り出してみた。
 まずは右側の米Cox PeeWee02。もう30年近く前に買った模型飛行機用のマイクロエンジンで、名前の末尾の「02」は、模型用エンジンの排気量を立方インチで表現した際の小数点以下を表している。つまり、このエンジンは排気量が0.02立方インチ、ccに換算すればなんと0.327ccという小ささである。重量は23g。
 小さいからと言って、バカにしてはいけない。始動はCoxお得意のスプリング・スターターにプロペラを引っかけてグリグリと巻き上げてパッと手を離すと「ピウィ〜ン!」という高音かつ轟音で回り出すと一気に20,000rpm以上でぶんまわり、公称出力0.036馬力だからリッター換算すると110馬力を超える超高性能ユニットなのだ。あまりにうるさくて、車用(もちろんラジコンの)ダンパーのアウターケースを改造して自作のマフラーを作ったりしたもんだ。左の方はたしかTeeDeeというシリーズでなんとキャブまで付いているのだ!ちょっと改造すればスロットルだって付けられるかもしれない!!

 昔の模型工作雑誌にはこいつらを使った作例がけっこう多くておなじみのエンジンだったけど、Coxもとっくに倒産して、今時はバッテリーとモーターが良くなったので小型飛行機もすっかり電動で、この手のエンジンは絶滅してるんだろうと思う。ちなみにこいつはリードバルブエンジンなので左右どちらにでも回転するスグレもので、ノーマル・ペラでもプッシャー配置(機体のおしりにエンジンが付く)にすることができた。
 
 Coxはなかなか洒落たメーカーだったのか、049クラスのエンジンにはBlack widowとかいうサブネームが付いていて、辞書から見つけたwidow=未亡人という言葉にちょっとドキドキしたりして、でもそれはP-61という第二次大戦中の戦闘機の愛称だったり、ああ、模型飛行機少年のあの頃が懐かしい。

 もっとガキのころは、エンジンなんかは危ないから買ってもらえず、じゃあ、これならいいんじゃない?ということで当時喉から手が出るほど欲しかったのがCO2エンジン。
これは家庭用の液化炭酸ガスのボンベからガスを注入してその圧力で回るので内燃機関ではないものの、当然内部にはピストン、コンロッド、クランクシャフトと必要な機構はきっちり揃っている。何年か前に子供向けの透明な樹脂でできた空気エンジンをつかった既製品の模型飛行機があったが、そんなチャチいもんとは比べもんにならないくらいに精巧にできた大人の趣味品だった。当時、どこを探しても手に入らずついに諦めていたのだが、昨年、ナンの気なしにヤフオクでさがしたところ最後の一台に巡り会って、金額も気にせず落札した「GASPARIN Co2 Moter」。なんと水平対向で排気量はCox02よりさらに小さく0.1256cc(0.0628ccx2)、ボアxストロークは2mmx2mm、重量4.1gというスペック。チェコ製というのがなんか泣かせる。こちらはなんとも平和な雰囲気でプルプルと回り、スパン200mmくらいの翼長のゴム動力機の代替動力として使うのだが、ラジコンにするには出力不足なのでフリーフライト用となる。でもあまりに貴重でとてもじゃないけどコントロールできない機体に付けて飛ばす勇気はない。今はない。老後の楽しみにしておくのだ。ああ、楽しみ。


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