2013年2月23日土曜日

春にして日露戦争を想う?

 立春とはよく言ったもので、気象庁の統計を見ても少なくとも過去数年は確かに2月4日を過ぎると、というより初旬前半あたりにかけて気温が下がり、立春を境に数日間でググッと気温が上がる傾向が伺える。今年は2日に12.9度、7日に9.8度と高く、間の6日にグッと低くて1.1度(いずれも最高気温・仙台市)と変位が激しかったのでより「春らしさ」を感じたようだ。しかしながら、今年はここまで(22日)全体的に気温は下降傾向で例年の緩やかな右肩上がりのグラフとは明かに趣を異にしている。明日も今年最大の寒波がやってくるとかで、「春遠からじ」ならぬ「春近からじ」といったところ。そんな季節の変化を知ってか知らずか、近所では白鳥の群れが鮮やかなV字編隊を組んで飛んでいたり、鷺がひょっこり現れたりと、大きな鳥を目にすることが多い。

鷺には夏鳥(日本で繁殖して冬は南方へ渡る)と冬鳥(冬に日本へ渡り越冬する)の二種がいるようだ。冬鳥は日本以北のより寒いところからやってくる訳なのでこのあたりの寒さくらいはむしろ暖かいのかも知れない。日露戦争で帝政ロシアが「凍らない港を求めて」南下したというエピソードを思い出した。冬の日本海などは寒さと厳しさで荒涼としたイメージがあるが、ロシアの人々にとっては凍らないくらい「暖かで豊かな」印象なのだという。同じ地域でも異なる立場で眺めると価値観は随分と違うものだ。この鷺はこの時期にいるので冬鳥だろうか。よく見ると夏によく見る少しグレーがかった鷺とは違うようにも見える。ロシアはもうさすがに簡単には南下して来られないが、鷺は今年もいつものようにやってきて帰って行く。季節にも国境にも価値観にも縛られない、渡り鳥はどこまでも自由なのだ。

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