2012年9月28日金曜日

やっぱりカッコ良かった


南イタリアに行ってきた。初めてのアリタリア航空。70年代〜80年代、日本ではモータースポーツはまだ暴走族扱いだったが、ヨーロッパでは成熟した紳士のスポーツでありひとつの文化でもあったその大人の雰囲気にクラクラしていた僕は、ほぼ走る芸術といってもいいようなデザインのレーシングカーに熱狂し、絵を描いたり模型を作ったりして少年時代を過ごした。なかでもアリタリアカラーのランチアストラトスの印象は強烈で、アリタリアがなにか理解する前にその緑と赤のデザインは「かっこいいもの」のアイコンだった。
 そのアリタリア航空の機内食、意外にもカトラリーは透明プラのどうしようもないものだったがこのカップには参った。樹脂の2色同時成形はもはや「枯れた」技術でそこに新規性は感じないが、なんといってもこの「佇まい」が素晴らしい。イタリアでプラスチックといえばKartellあたりが白眉だと思うが、イタリア人はプラスチックの使い方が本当に上手いと思う。プラスチックというとどこかしら何かの代替品、特に安価なものにはそうした印象が一般的なようだが、どこにもそうした残念な感じはなく、プラスチック素材の良さを最大限に引き出していると思う。なんといってもこの「透明」ということはガラスがプラスチックにしか出来ない芸当だから。赤い樹脂が透けて見える重厚かつ軽快という相反した印象を1つにまとめているところが凄いと思う。アリタリアのこだわり、素晴らしい。

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