2014年5月25日日曜日

焚き火の教え

 アメリカの笑い話で一輪車のタイヤに「このタイヤで高速道路は走れません」というPL法の注意書きがあるとかないとか。考えたら分かるやろ?なことも経験がないから本当に分からない人がウヨウヨいるとなると、こういう奇跡のような想定も必要なのかも知れない。火の始末がちゃんと出来ない人が多くなったからか、煙が近所迷惑だからなのか、まさか温暖化対策とは思えないが、今時は普通に家庭で焚き火も出来ないようだ。なんでも家庭用の焼却炉もダメだそうで、なんとも了見の狭い世の中になったもんだ。

 子供の頃、焚き火は日常だったが、決してひとりではやらせてもらえなかった。単に危ないという理由以上にうまく火を整えることには多くの技術を要したから、責任の重さはには想像がついた。焚き火にはまずは準備が必要だ。万一に備えて十分な汲み置きの水、火力の調整用のじょうろ、延焼しないように周囲の整備も重要だ。次は段取りだ。焚きつけを考え、枯れ葉や柴をくべつつ小さな火を少しづつ育てるように大きくしていく。できれば事前に草むしりをしておいて、水気のある草を集めておくと炎の立ち上りを防げる。全体に先だって天気を読む能力も必要だ。乾燥した風の強い日は論外、夕方から雨模様なら万全だ。最も重要な仕事が後始末だ。もう十分、というくらいに水をかけても数時間後、夜になって暗闇に赤くいこってブスブスと煙りを上げることもある。最後にたっぷり水をかけて消火を見届けてやっと一人前だ。ここまでひと通りやれば自然と火を畏れるようになる。「焚き火の教えは心と目に染みる」とは旧友の談だが、まさに言い得て妙。

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