鷺には夏鳥(日本で繁殖して冬は南方へ渡る)と冬鳥(冬に日本へ渡り越冬する)の二種がいるようだ。冬鳥は日本以北のより寒いところからやってくる訳なのでこのあたりの寒さくらいはむしろ暖かいのかも知れない。日露戦争で帝政ロシアが「凍らない港を求めて」南下したというエピソードを思い出した。冬の日本海などは寒さと厳しさで荒涼としたイメージがあるが、ロシアの人々にとっては凍らないくらい「暖かで豊かな」印象なのだという。同じ地域でも異なる立場で眺めると価値観は随分と違うものだ。この鷺はこの時期にいるので冬鳥だろうか。よく見ると夏によく見る少しグレーがかった鷺とは違うようにも見える。ロシアはもうさすがに簡単には南下して来られないが、鷺は今年もいつものようにやってきて帰って行く。季節にも国境にも価値観にも縛られない、渡り鳥はどこまでも自由なのだ。
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