建築家のスケッチを精密にデジタル化して、各部材の長さや角度、数量や施工の順序といったものを予めはじき出しておいて、現場で人力で竹を組み立ててゆく、というプロセス。デジタルで精度を上げてあっても、そこは材料が竹ということで、そもそも太さもバラバラ、真っ直ぐでもなし、割り竹の幅もマチマチなのは当然で、そこを現場合わせしていく工夫がおもしろいところ。図面では問題なくても現場では辻褄の合わないこともあり、そこは当然現場合わせを優先、いきなり現場で「カッコ良く」設計変更する場面も。。というとデジタルの恩恵はなさそうなものだが、そもそもデジタル化することによって部材の総量や相互の関係、それらによって構成される全体像の把握が可能になっている。作業を始める前段階を整える意味においてデジタルは不可欠なプロセスなのだ。つまりこれがないと始まらないのだ。
デジタルとアナログのこうした不可分な関係は当たり前のものなのだが、アナログ作業を体験しないことには意外とこの事実には気がつかない、ということを最近の学生を見ていると感じる。フルスケールでモノを作ることは建築の学生だけではなく、どんなデザイン分野にも必要な体験なのだ、当たり前すぎるけど。
手前味噌だが、南三陸町でいよいよウルシを植える準備も整いつつあり、こちらも本当の成果を得るまでには10年以上を要する。なんだか、長いスパンで楽しみなことが増えてきた。2月22日からオープンです、みなさま是非。
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