2011年6月15日水曜日

薪のこと山のこと


今年はひょんなことから山持ちの村の古老と懇意になり、立派な薪が手に入った。昨年は住まい始めての最初のシーズンで確実な入手ルートを確保ということもあり森林組合から1万円@立米x4ほどで購入したが結局ひと冬過ごしてみて8立米(残りは近所で伐採した木で賄えた)ほど必要なことがわかった。これでは薪代がバカにならない&こんな緑に囲まれているところに暮らしながら薪に代金を支払うことへの抵抗感もあり、なんとかならんものか、と考えていた。

そのT翁は山が大好きな好々爺で、とにかく山に入ることが好きだということだけで盛り上がり、知り合ったその日に早速チェーンソーをぶら下げて二人でご自身の山へ入ってきた。昨秋に伐採した樹齢30−40年ほどの立派なコナラとサクラがたくさん。二人で玉切り(40センチくらいに輪切りにすること)にして軽トラに満載x二往復。5立米ほどが手に入った。他にも3月に国土交通省の河川整備事業に参加して伐採してきたミズヤナギ(あまりカロリーは高くないけど)が4立米ほどあるので、ひとまず来シーズンの燃料は確保できたことに。ちなみに写真の薪置き場で2.5立米だからこの3〜4倍が必要ということ。

里山パスハン(自転車で山々を巡る)が趣味で山に入ることそのものが好きなのだが、その割には木々や草花の知識はまるでダメで、でもここで暮らし始めてからというもの葉から樹種を同定することがだんだん出来るようになってきて、それはそれでとても楽しいというか住人としての資格を得られつつあるような感覚で嬉しい。T翁はもちろんその筋の達人なわけで、山に入るととにかく木々や草花についての話が絶えない。植林の管理の仕方やいい材木の見分け方など現場で教えてもらうことには新鮮な迫力がある。たしかにこれまでは漠然と「ああここは植林地だな」ということの見分け程度はついたが、その「クオリティ」については見分けがつかなかったが、枝振りや樹皮の様子を入念に観察してゆくと確かに手入れが行き届いている林とそうでないところでは木の様子がまるで違うことに気づく。こうした「知恵の伝承」のようなことは昔は当たり前のように意識することなく行われていたのだろう、T翁曰く、ご自身の代で植林の管理を引き継げる若い人が居ないそうで、こうした山の話をする相手(僕)が見つかったことをとても嬉しいとおっしゃって下さっているが、それは後生に伝えるべき事を伝える役割をはたせるというある種の安堵感のようなものに思えた。をを、ということは僕はこの山を守ってゆくことになるのかぁ!?などというのはさすがに無駄な想像でしょう。

ともあれ、薪に適した落葉広葉樹の伐採は植林地を健全に保つために必要な作業で、毎年秋には必ず行われるそうで、ということはこの秋には僕も入山してお手伝いすることに、ということで薪の入手源が確保できたというお話。しかし樹齢が3−40年ともなると割るのにもひと苦労。その顛末はまたの機会に。

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